Trans Princess東横線衝突事故書類送検の、そのずっと奥にあるもの…☆

東横線衝突事故書類送検の、そのずっと奥にあるもの…☆

2017–02–06 (Mon) 23:20
<東急東横線衝突事故>指導責任者と運転士を書類送検

2014年2月、東急東横線元住吉駅(川崎市中原区)で、雪の影響で電車が追突し乗客65人が負傷した事故で、神奈川県警は6日、積雪を考慮した安全管理を怠ったとして運行指示・指導責任者だった元電車区長の男性(60)=福島県会津若松市=と追突した電車の男性運転士(36)=横浜市旭区=を業務上過失傷害と業務上過失往来危険容疑で横浜地検川崎支部に書類送検した。いずれも容疑を認めているという

これではトカゲの尻尾切り…と申しますか、ある意味濡れ衣の様な責任押しつけだと思います。
この事件に関しては事故当時の3年前に…

2014年2月24日の記事
東横線衝突事故に見る、ハイテク&コストカットの落とし穴 その1☆

その後追い、2014年2月28日の記事
東横線衝突事故に見る、ハイテク&コストカットの落とし穴 その2☆

の中でお話させていただきました。
原因を転載すると、

①ATCの一段制御
もともとのATCは、先行列車との距離を見計らいながら、段階的に速度をコントロールするものでしたが、現在は一段制御という、ギリギリまで先行列車に接近できる(万一の場合、そこから非常ブレーキをかければ安全に止まれる)ようになっています。ATCは安全装置の切り札として、大きな信頼を得ているものなのですが、それは今回のような「異常な降雪」といった、通常では考えられない状況を考慮に入れていないのです。

②電力回生ブレーキと純電気ブレーキ
現在の電車には、「電力回生ブレーキ」というのが付いています。
これはモーターを発電機に変えて、発電した電気を架線に送り返すというエコ技術です。
うーん、自動車に例えると、ハイブリッド車がエンジンブレーキをかけた際、エンジンを発電機に変えて、その電気をバッテリーに蓄電するでしょう…考え方はこれと同じです☆
電車にはこの「回生ブレーキ」を含む「電気ブレーキ」と、エア・コンプレッサーで作った圧縮空気でブレーキシリンダを動かしブレーキをかける「空気ブレーキ」があります。「電気ブレーキ」も大まかに分けて二つあり、一つは上記のような「回生ブレーキ」、あともう一つは、減速時に作った電気を回生ブレーキのように架線に戻さず、自分の車両に搭載された抵抗器で熱に変えてしまう…これを「発電ブレーキ(英語ではDynamic Brake)」といいます。
従来はこの二つの方式を併用するのが普通だったのですが、近年は通常、これを全部「電気ブレーキ」で行う車両が増えました。これを「純電気ブレーキ」と言います。空気ブレーキは通常使わず、電気ブレーキだけを使います(ここがポイント)。現在のように三相誘導電動機とインバータ制御を電車で使うようになると、こちらの方が効率的なのです☆

実はこの回生ブレーキは、架線の電圧が自車の電圧より低いときに発電機として働き、その電気を架線に戻しながらブレーキを効かせてスピードを落とすのですが、その必要がない(つまり架線の電圧が十分に高い)時は、回生ブレーキは停止してしまいます。
これを「回生失効」と言います。文字通り「回生ブレーキ」が「失効する」と言う事で、要するにブレーキが切れてしまうのです☆
そんな時には、自車に搭載された抵抗器に発電した電気を流して、熱に変えながら電気ブレーキ(以後、「電制」)を起動させ続けるのですが…昨日の記事でもちらりと触れましたが、最近の車両はこの重い抵抗器の搭載を(重量軽減の意味で)省略しているのです。

この車両もそういうタイプで、この場合には回生失効した後、空気ブレーキ(以後「空制」)、つまりエアの圧力でブレーキシューを車輪に押し付けて、その摩擦抵抗で停止することになりますが、普通は停止直前まで回生ブレーキが効きますので問題ありません…純電気と言っても、最後は空制で止まるのです。そうしないと、電車がまた動きだしちゃいますから(これを「転動」といいます)。
この車両は「純電気ブレーキ」ですから、ここまでの走行中、殆ど「電気ブレーキ」ばかりを使ってきたのです。その間、使用していない空気ブレーキは冷え切ってしまい、着雪し、その雪が低温の中で凍り付いてしまっていたと考えられます。空気ブレーキの性能は、この時点で著しく低下していたと考えられます。

そこへ、車両が滑走している為に非常ブレーキをかけるとどうなるでしょう。
非常ブレーキの時は、純電気でも電制ではなく空制を作動させます。通常、車両形式を問わず確実に、短い距離で車両を停止させるなら空制が一番と考えられています。
理由は裏切らないからです。電制ではオーバーロードなどで、急に切れてしまうこともありますからね☆
しかしその頼りにしている空制が凍り付いて役に立たない状況だったとしたら…。
これも分かりやすく車に例えれば、アイスバーンの走行中にギアをニュートラル(エンジンブレーキが効かない状態)に入れているようなものです。アイスバーンの走行経験がある方なら、それがいかに恐ろしく、危険な状態である事かおわかりになるでしょう。
そしてこうなればもう列車を止める手立てはなく、追突を避ける手段はありません。
直接原因は、非常制動をかけたため、性能が著しく低下した空制だけに頼ることになり、衝突してしまったという事のようです。

「うーん、それなら非常ブレーキを使わないで、普通のブレーキで止まれば事故は避けられたんじゃないですかあ?」
事故当時、時間はもう深夜です。普段あれだけ頻繁に走っている東横線も、この頃には走行している電車も少なくなり、架線の電圧が高く、電力を回生する必要がなくなってきていたはずです。つまり、「回生失効」が早々と発生してしまったでしょう。
(こういうケースが多々発生する地方の線区を走行する車両には、回生失効後も電制が使える様、抵抗器を搭載しているものもあります)
そうなれば、80km/hの速度から「一段ATC」の指示に従って先行列車の600m手前で常用ブレーキをかけた時にすぐに回生失効して、抵抗器の付いていない車両は電制を遮断され、あとは空制に頼るしかありません。おそらくその時、加速中の電車が他にいなかったのでしょう。もし近くに加速中の電車があれば、当然架線の電圧も下がり、回生失効は起こらなかったでしょうが…。
こんなところに、ハイテクによる省エネとコストカットの落とし穴があったのですよ…☆





長くなりましたが(一部文体等、省略・変更させて頂きました)…
根本原因は、降雪が少ない東京で、この時の様な異常な降雪時を想定しておらず、効率化を目的に導入された各種のハイテク装備が、かえって事故を引き起こす要因となってしまったように思えるのです。

ところが今日の記事では、あくまで現場の判断ミスと言う事で片づけてしまっています。
日本社会の嫌な面(他の国もそんなものですが…☆)を見せつけられてしまったかのようです。
東急に限らず他の私鉄でもJRでも、そういう体質がある…
鉄道に限らず企業全体、社会全体に、そういう体質があるのは、
これから日本が目指す、世界が真似出来ない高品質&ソリューションの国を目指すのに、
米国・欧州の恫喝や、中国・韓国のパクリなどより、遥かに大きな問題です。
これも民衆のレベルが上がってくれば誤魔化しも効かなくなるので、
やはり少しづつ、普通の人々が勉強し、賢くなるのが一番です…☆


…③「問題解決編」の記事はどこですか…と?
すみません、まだ書いていません…☆
いやあ、当時もまた忙しく…エヘ。
ご要望があれば、近日続編として問題解決編を書きます…☆

…降格と、本当にご要望が来るのですよね…☆







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