Trans PrincessA320を墜落させるのは、実は至難の業なのです…(その1)☆

A320を墜落させるのは、実は至難の業なのです…(その1)☆

2015–01–03 (Sat) 21:19
マレーシア航空370便・同社17便、及びインドネシア・エアアジア8501便に関する一連の記事は、「飛行機好きのMH-370事件考察」に収録しています。
こちらを利用すると、余計な記事はすっ飛ばして、お目当ての記事を見る事が出来ます。
画面左下部の「カテゴリ」から、「飛行機好きのMH-370事件考察」をお選び頂くか、
下のリンクからご覧下さい☆

飛行機好きのMH-370事件考察




さて、本日の三部作(多分4つは更新できない)の最終記事です。
今回の記事も、逆から攻める「QZ8501便墜落の謎」です。

それではもし、この事件には何の裏も無いとすると…
QZ8501は激しい嵐の中、38,000ftまで上昇を希望したものの、
管制側から他の航空機の存在を理由に、断られてしまった。

その間にも天候は悪化し、34,000ftへの上昇を許可した管制へ、
返答も出来ないほど機の操縦に苦慮していた。

遂にたまりかねて急上昇をしたが、これが原因で失速。
機体はきりもみ状態でジャワ海へ落下した…。

…好意的に見れば、こんなところでしょうか。




さて…
まず、許可も無く急上昇しますか?
上空の航路には、他の飛行機がいる事は知っているのに?
危急が迫りやむをえない場合、管制へ「危険回避の為、上昇します」と通告するはず。
「だまてん」でやれば、大変な事になります。
下手をすれば空中衝突をしてしまいます。
それは嵐などより遥かに危険なのですが…☆



信じられないような急上昇をして、失速した…?
そんな事態になる前に、コクピットではスティックシェイカー(失速警報装置)が発動します。
失速警報装置

失速警告のために操縦桿が振動する仕組みをスティックシェイカー(stick shaker)といい、これは機体の失速直前に操縦桿(コントロール・スティック)が素早く小刻みに音を立てながら振動する(シェイクする)構造を有している。民間機から軍用機にいたるまで多くの航空機にこの仕組みが採用されている。

スティックシェイカーは失速防止装置の一部であり、翼部に設けられたAOAセンサ(迎角計)とそのAOAセンサを飛行機の速度等と合わせ計算するコンピュータを用いている。コンピュータが、AOAセンサやあらゆる飛行システムからのデータを統合し、そのデータが失速直前の状態だと感知したとき、コンピュータが操縦桿を振動させ、同時に音声で警告する。


この様に失速しそうになると、操縦棹がガタガタ震えて、ピーという警報音が鳴り渡ります。
これを無視して、ひたするプルアップしないと、失速しません。
ベテランのクルーが、わざわざこんな事をするとは思えないのです…☆



それでもついに失速してしまいました。
失速した事によって吸入空気量が減少。
こうなると最悪の場合、左右のエンジンが両方ストップします。
(これをフレームアウトといいます)

普通はここで「緊急事態」を宣言します。
なにしろ今回は恐らく高度40,000ftの上空で、両舷エンジン停止ですから☆

やり方は簡単です。
音声無線で「Mayday Mayday Mayday」と発信すればいいのです。
いわゆる、「メーデー三連呼」です。
時間にして数秒で出来るはずなのに…今回はそれすらしていません。


エンジンが止まると停電して無線が使えない?
大丈夫です☆
A-320には、RAT(ラムエアタービン)という装置が付いています。
普段は左主翼の根元に格納されている、プロペラの事です。
左右のエンジンが動かなくなった時に自動的に機外に飛び出し、空気で回転します。
これで油圧を発生することができます。操縦桿の操作や計器類の表示をする事が可能になり、
グライダーのように滑空することができます。
だから少なくとも、音声無線でメーデー3回言う事位、朝飯前なはず…


機体は落下を始め、スピン(きりもみ)状態になってしまった…。
それならさっさと、体勢を入れ替えて、スピンから脱出する事です。
まず方向舵を中正にして、操縦桿を一杯前に突き出します。
すると旋転が止まり、飛行機はいよいよ真っ逆さまに降下し始めます。

「えー、怖い! それじゃものすごい速度が出てしまいますよ!」

いいんです☆
どんどんスピードを出して下さい☆
「きゃー、激突よ! みんな死んじゃえです、わふー☆」


…というのは、冗談です☆
こうして高速落下すればするほど、ものすごい風圧を受けますよね?
この風圧を利用してエンジン内部を回転させながら、停止したエンジンの再起動をかけるのです☆
これを、「ウィンドミル(風車)始動」といいます。
ウィンドミル始動に必要な対気速度は300ノット(これで定格回転数の12%を確保できます)。
少なくとも32,000フィート以上の高度から真っ逆さまなら、
まだ比較的高空のうちに、十二分に出せる速度です。

さあ、エンジンが再始動出来たら、今度は操縦桿を一杯に引き付けてエンジンをパワーオン、
そして水平飛行へと移ります☆
お客様には即座にお詫びと感謝の言葉を放送する事をお忘れなく…☆


このウィンドミル始動が出来ない場合も書いておきます。
そういう場合、APU(補助動力装置)を使って、エンジンを再始動させます。
A320はETOPS180という規格なので、43,000ftの高空(完全低温曝露状態)からでも起動でき、
圧縮空気や油圧、電力を供給出来ます。
つまり、メインエンジンを起動するために必要な圧縮空気の供給ができるのです。

メインエンジン自体に重大な損傷があった場合は?
APU起動が2-3回やってもうまくいかない場合、滑空によって着陸するのも選択肢です。
覚悟を決めるのならば、早い方がいいですね。
RATやAPUによって操縦棹操作も計器表示も出来ますから、
高度があればある程、滑空で着陸できる空港の範囲は広がります。


(以下、「その2」へ続きます☆)

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